函館市は20日、応援したい自治体に寄付ができる「ふるさと納税」制度に関し、2019年度の収支が8058万円の「黒字」だったことを明らかにした。寄付の受け入れ額から、経費と他の自治体への寄付で控除された住民税額を差し引いた額がプラスになるのは2年連続で、返礼品の水産加工品などが人気を集めた。今年度の寄付額は、5億円を超え過去最高を更新した昨年度を上回るペースで推移している。
19年度の市への寄付額は、前年度比1・7倍の5億7985万円。これに対し、返礼品調達などの経費は3億1092万円、市民が他の自治体に寄付したことに伴う住民税減収分は1億8835万円だった。黒字幅はおととしの4892万円から1・6倍に拡大した。
ふるさと納税の寄付額は17年度に1億円を突破。この年は、寄付金の受け入れ額から市民税減収額を差し引いた額では約4460万円の黒字を達成したが、経費を含めると212万円の赤字だった。
今年度の寄付額は7月末時点の入金ベースで、前年同期の3・2倍となる1億9239万円。件数は前年同期比1・7倍の7225件に上る。
増加の背景には新型コロナウイルスの感染拡大による「巣ごもり需要」があるとみられ、市によると、ふるさと納税の利用者は全国で伸びているという。市の返礼品はサケの切り身が根強い人気を集め、今年度もトップとなっている。
市財務部管理課は「寄付額の増加が黒字につながり、大変ありがたい。寄付は市のさまざまな事業に活用したい」としている。(山田大輔)