函館市は、新型コロナウイルスによる肺炎の流行を受け、経営に直接的または間接的に影響を受けている市内の事業者を対象に金融支援を行う。自然災害による被害の復旧資金に充てる市中小企業融資制度の「緊急対策資金」を適用。上限は運転資金1000万円、設備資金3000万円。
同資金は、地震、風災害、冷害などの被害で復旧資金が必要な人向けに貸し出すもので、直近では18年の胆振東部地震後に金利を引き下げて実施した。
市は、新型コロナウイルス関連肺炎の流行で、ホテル・旅館の宿泊や商品のキャンセルなどがあった事業者などを想定している。運転資金は融資利率(固定金利)が1・0%以内で期間は10年以内(据え置き期間は2年以内)。設備資金は利率は10年以内が1・0%以内、10年を超えると1・4%以内となる。期間は15年以内(同3年以内)。
取り扱い金融機関は、北海道銀、北洋銀など市内の銀行、信用金庫、商工信用組合で、希望者は各金融機関の融資相談窓口に申し込む。取扱期間は2021年1月31日まで。
新型コロナウイルスによる肺炎の猛威は世界中に広がり、収束する気配を見せていない。市経済企画課は長期化すると宿泊業や土産店、飲食店など多岐にわたる業種で影響が起こることを想定し、「今後どれだけの影響があるか分からない。安定した経営を続けてもらうためにも制度を活用してほしい」と話している。問い合わせは同課(0138・21・3312)へ。(小杉貴洋)