函館市主催の大間原発(青森県大間町)訴訟市民説明会が、11月9日午後1時からホテル函館ロイヤルで開かれることが決まった。提訴から5年がたった市の大間原発建設差し止め訴訟に関し、市訴訟弁護団所属の弁護士が審理状況や今後の見通しなどを報告する。定員300人(先着順)で、訴訟に対する理解を深める貴重な機会となりそうだ。
市の弁護団は計12人おり、このうち海渡雄一弁護士(東京)、中野宏典弁護士(山梨)、兼平史弁護士(函館)を講師に招く予定。大間原発が世界初のフルMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)型原子炉で、津軽海峡は国際海峡で領海が通常の12カイリ(22キロ)ではなく、3カイリ(5・5キロ)しかなくテロに対して脆弱(ぜいじゃく)など、大間特有の問題点を分かりやすく解説する。
市は、大間原発の建設差し止めを求め、国と電源開発(東京)を相手に東京地裁で係争中。自治体として2014年4月に全国で初めて提訴に踏み切り、一貫して無期限凍結を求めている。これまで市ホームページ(HP)や広報紙「市政はこだて」で裁判の状況を発信してきたが、提訴後5年経過していることも踏まえ、市民に直接説明する機会を初めて設ける。
市の訴訟は、11月6日に第21回口頭弁論が行われる。大間原発は、原子力規制委員会の新規制基準への適合性審査が長期化。同社は昨年9月、工事再開時期を2年程度延期する方針を示した。運転開始も2024年度ごろとしていたが、26年度ごろに先送りとなる可能性が強まっている。
午後3時まで。参加無料。市HPまたは電話(0138・21・3659)で申し込む。市総務部防災担当は「危険性だけでなく、同意権や避難計画作成の問題など初めての人にも分かりやすく伝えたい。若い世代にぜひ参加してほしい」と呼び掛けている。(山崎大和)