日本最大級のランニングポータルサイト「ランネット」が、実際に大会に参加したランナーの評価やレポートを掲載する大会レポの総合ランキングで、7月に行われた2019函館マラソンが87・7点を集め8位(27日現在)と初のトップ10入りを果たした。国内では年末にかけて大会開催を控える地域も多く、19年の最終的なランキングの確定ではないが、官民一体の地道な取り組みがランナーに認められた格好だ。
函館マラソンのこれまでの評価は、フル・ハーフ同時開催となった16年は68・4点、17年は86・7点、18年は84・4点と順調に推移している。
今年の大会には過去最高の約8600人がエントリー。部門ごとのランキングは27日時点(1302大会中)でフルは87・9点で8位、ハーフは87・2点で1位となっている。ランナーの評価は全国から現在までに493件寄せられており、「沿道の応援が力になった」「とても走りやすいコース」「エイドステーションが素晴らしい」など高評価が続く。
16年は悪天候に加え、万全の準備とは言えない大会運営に批判の声も寄せられた。より良いものにしようと、大会実行委が中心となって同サイトに寄せられた声やアンケート結果を基に、記録計測を10キロずつから5キロに変更、トイレの数を増やしたりエイドで提供する海鮮丼などの食を多くの人に提供できるようにするなど、ランナーの声が反映された大会を意識付けした。新たな試みとして協賛企業の協力で完走メダル(フルのみ)を進呈したほか、フルの制限時間も10分伸ばし5時間半とした。
また、3700人ほどのスタッフが運営に携わり、沿道にいる市民との応援を通じた触れ合いもランナーの参加を後押しする。同サイトで参加ランナーの投票で選ばれる「全国ランニング大会100撰(せん)」には17年から2年連続で選出されている。
函館マラソンの特設サイトでは「前略マラソン課長より」というコラムを定期配信するなど情報発信にも力を入れている。実行委事務局は「市民やスポンサーら関わるすべての人のおかげで成り立っている。参加ランナーの意見をこれからも反映させ、さらに順位を上げられるよう満足度の高い大会にしたい」と意気込んでいる。(小杉貴洋)