函館市戸井西部総合センター(小安町525)の開館記念式典が5日、同センターで開かれた。240人の収容が可能な集会ホール、研修室などを整備。貴重な考古資料の展示コーナーも設けた。災害時には避難所としての役割を担い、住民同士の交流や地域防災の新たな拠点となる。
同センターは国道278号沿いで、津軽海峡を一望できる戸井運動広場内に建設。鉄骨造平屋約818平方メートル。総事業費は約4億円で主に過疎債を活用した。
集会ホールは軽スポーツでの利用を想定し、衝撃を吸収する床材を使用。内壁には道南材を用いた。研修室、調理室、和室などを備える。屋外には太陽光パネルが設置され、建物全体の消費電力の1割程度を賄うことができるよう設計されている。
エントランスホールには旧戸井郷土館に収蔵されていた、道の有形文化財「戸井の板碑」(室町時代)をはじめ、戸井貝塚(縄文時代後期)出土の「舟型土製品」(複製)やエゾシカの骨を使った人型の「角偶」(複製)などの考古資料約90点を展示している。
式典には関係者約100人が出席。工藤寿樹市長が「末永く愛され、活用されることを願っている」とあいさつ。地域を代表し、戸井地区町会連合会の河江誠司会長は「地域コミュニティーや生涯学習の場、災害時の拠点として大きな意味を持つ」と完成を喜んだ。
午前9時~午後9時、毎週月曜日休館。問い合わせは同館(☎0138・82・3537)へ。(今井正一)