今年4月に開校した函館巴中学校(佐竹聡校長)は、市立小中学校で唯一の食物アレルギー対応給食を行っている。10月から開始しており、6日には、2年生の男子生徒1人にタコを使ったハンバーグの代替食として、キビナゴのフライを出した。
アレルギー対応食の提供は、施設面での対応が必要。校舎を新設した同校は、調理場内に専用調理室(14・4平方メートル)を設けた。専属の調理員2人が調理や、生徒へ提供する前に計画通り調理できたかをチェック。緑色の白衣を身に付け、普通の調理員と区別している。
同校は青柳中、五稜郭中合わせ1536食を提供しているが、今年度は青柳、五稜郭両中にアレルギー対応食を希望する生徒はおらず、巴中1~3年の3人が対象となった。
アレルギー対応食の受け渡しの際は、調理員が担任教員に内容を説明し、受け渡し表にサイン。個別に生徒の手元に届ける。対象生徒はトレーや箸の色が他の生徒と違い、ミスが起こらない仕組みを徹底している。この生徒は取材に「特別扱いは好きじゃないけど、食べられるものが増えた」と話した。
アレルギー対応食を希望する生徒は、学校生活管理指導表を提出。学校側は1カ月ごとに詳細献立表を保護者に提示し、食べられない食材などの希望を聞く。
アレルギー対応食は一人一人に合ったオーダーメイドの献立ではなく、食物アレルギーの原因となるエビ、カニ、小麦、そば、卵、乳、落花生の7つを対象にした除去食、または果物やデザート、揚げ物などの加工品について替わりの食品を使った代替食となる。
他校への拡大は施設面で難しいが、市教委保健給食課は「対応食を希望する生徒がいれば、保護者と相談の上、提供したい」としている。(山崎大和)