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「足形・手形付土版」など国の重文に指定へ

 函館市豊原町の豊原4遺跡出土の「足形・手形付土版」をはじめとする考古資料70点が、国の重要文化財に指定される見通しとなった。全国的にも出土事例が少なく、縄文時代早期末の精神文化や葬祭儀礼の風習を研究する上で、大変貴重な資料として評価された。市内の重要文化財のうち、考古資料では2003年指定の「北海道志海苔中世遺構出土銭」に次いで2例目となる。
 国の文化審議会(宮田亮平会長)が11日、文化財分科会の審議、議決を経て、市の考古資料を重要文化財に指定するよう馳浩文部科学相に答申した。正式な指定は7~8月ごろとなる見込み。
 市教委によると、同遺跡は縄文前期後半から中期末(約5200~4000年前)ごろの集落跡。2000~01年の発掘調査で見つかった早期末(約6500年前)の土坑墓2基から土版5点が出土された。
 長さ21・6センチ、幅14・1センチのものを含む土版は、国内類似土製品の中でも最大。片面または両面に幼児や子どもの足・手形が付けられている。墓に副葬された目的については諸説あるが、市教委は「足形などがきれいに付いていることから、亡くなった子どもの形見として保管されたと推測される」とする。
 縄文早期末の土版は道央の3地域で数点出土している程度で、函館に集中的に分布。東北地方などでは縄文後期の形が異なるものしか見つかっておらず、早期末特有の考古資料として極めて価値が高い。
 土版と合わせて出土した石器類は、副葬品と考えられるつまみ付きナイフが46点、磨製石斧3点などで、一括資料として指定される。これらは14年に市指定有形文化財に指定されている。
 答申の知らせを受け、山本真也教育長は「足形・手形付土製品は命や親子の絆を強く感じさせる、時空を超えた現代社会に対する大切なメッセージだと考える。文化財を生かしたまちづくりを推進するため、さらに取り組んでいきたい」とのコメントを発表した。
 資料は東京国立博物館でのお披露目が終わった後に市に返還される。5月下旬以降、土版5点をはじめ、石器類の一部を市縄文文化交流センター(臼尻町)で常設展示する見通しで、同センターの佐藤安浩館長は「北海道新幹線開業によって本州の方々もセンターに立ち寄りやすくなる。ぜひ本物の資料を見て、当時の精神性などを感じてもらいたい」と話している。(蝦名達也)










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