函館市は2017年度末時点の中心市街地の空き地、空き店舗状況をまとめた。ホテルの建設ラッシュに沸くJR函館駅前・大門地区は、空き地面積が前年から半減した一方、本町・五稜郭・梁川地区や両地区を結ぶ市電沿線は、依然として土地の有効活用が進まず、明暗が分かれた。
駅前・大門地区の空き地は21カ所。面積は前年比57%減の2926平方メートルと3年連続で減少した。同地区では、ユニゾホールディングス(東京)とWBFリゾート(札幌)、大和ハウス工業(大阪)がそれぞれ19年の開業を目指し、ホテル建設を進めている。工事に関わる仮設事務所の設置もあり、比較的大きな土地が活用された。
本町・五稜郭・梁川地区の空き地は23カ所で面積は前年から微減の1万639平方メートル、市電沿線の堀川、中島など5町は64カ所で同8%増の8187平方メートル。主に地元住民をターゲットとするこれらの地区では、観光需要の取り込みで投資が活発な駅前・大門地区に比べると動きが鈍く、空き地面積は高水準となっている。
空き店舗をみると、駅前・大門地区は同5%減の234店。「昼間飲食」で2店閉店があったが、全体の約7割を占める「夜間飲食」は新規出店や閉店後の駐車場の転用などが進み、10店減少した。
市電沿線は同4%減の108店。本町・五稜郭・梁川地区は、「夜間飲食」の閉鎖が7件増え、同1%増の291店。5年連続で前年を上回り、増加に歯止めがかからない状態が続く。同地区では昨年4月に再開発ビル「シエスタハコダテ」が開業したが、エリア内の経済効果は道半ばとなっている。
市商業振興課は「シエスタの開業前に比べて歩行者は増加傾向にあり、商店街に効果をどう波及させていくか今後も検討を進めたい」としている。
調査は昨年12月~今年3月に行い、3地区の計13町を対象に目視と聞き取りによってまとめた。(山田大輔)