函館市が公益施設「はこだてみらい館」(キラリス函館3階)の大人入館料を引き下げてから1カ月が過ぎた。4月の入館者は4057人で、前年同月と比べて12%増加。大型連休中の入り込みも好調で、一定の効果を上げている。市は、大人向けの企画のほか、児童、生徒の団体客獲得を目指して市内外の学校にPRを強化する計画で、一層の集客を目指す。
2016年10月にオープンしたみらい館の開業1年間の来場者は4万7474人。目標の12万人を大きく下回ったことを受け、市は4月から大人料金を従来の半額となる300円とした。
4月の1日平均の来館者は140人で、月別で4000人を超えたのは8カ月ぶり。市商業振興課は「入館料を引き下げたことで、4階のはこだてキッズプラザをこれまで訪れていた親子が、3階へ気軽に立ち寄る機会が増えた」と分析する。
大型連休期間(4月29日~5月7日)の入館者は4066人で、前年同期の1・4倍となった。ピークの3日は、913人が来場。13日までの特別企画として設置した「ふうせんのへや」には、子どもたちの歓声が連日響き渡った。
6日に同館を長男(5)と初めて訪れた市内主婦の加藤恵さん(35)は「ゲーム大会で子どもは大喜び。くつろげる場所があるのも親には助かる」と話した。
キラリス函館を運営、管理するNAアーバンデベロップメントの布村隆二社長は「客が増えることで従業員のモチベーションがアップし、よりよいアイデアを出そうという機運にもつながる」と集客増の相乗効果を強調する。
同館では大人向けのイベントとして、4月の体幹トレーニングに続き、27日に日本酒の講座を開催。函館を訪れる修学旅行生に同館を活用してもらおうと、市は4月に旅行代理店へのプロモーションを実施した。今後は宿泊研修の行程などに組み込んでもらうため、市内小学校への働きかけも行う。
同課は「まずは一度足を運んでもらうためのきっかけを作り、リピーターを徐々に増やしたい」としている。(山田大輔)