函館市は「ふるさと納税」の申し込みが増える11月に入り、PR活動を一段と強化する。ダイレクトメール(DM)や新聞広告などの紙媒体を使い、大規模な顧客へのアプローチ作戦を展開。本年度は既に昨年度の約5倍の寄付額に達しているが、返礼品の定期的な追加・見直しを行うなどして、てこ入れを図る。
返礼品を前面に出した寄付金の獲得競争が激しさを増す中、市は本年度から返礼品を170品目に拡大。新たな使途として、市が提起している大間原発(青森県大間町)の建設差し止め訴訟の費用を加えたことで大きな関心を呼んだ。
ふるさと納税は、秋から年末にかけて人気が集中する傾向がある。1月から12月までの所得税で計算されるため、駆け込み注文が殺到するためだ。市は11月、東京の高級住宅街にふるさと納税特集のDM10万部をポスティング(各家庭の郵便受けへ直接投入)するほか、返礼品カタログのDM15万部を通販会員に送る。また、道内と東京エリアで配布する新聞510万部に北海道ふるさと納税の広告企画を出す。来年1月には、道内で新聞での折り込み広告(10万部)を予定している。
本年度の4~10月の寄付実績(入金ベース)は1655件、5462万円。使途別にみると、大間が899件(54・3%)、2374万円(43・5%)と断トツ。地域別では、件数のトップが関東で876件(52・9%)、金額は2564万円(46・9%)、次いで近畿の227件(13・7%)、591万円(10・8%)など。
市財務部は「ふるさと納税を行う人が11月以降に集中するため、さらにPR活動を強化していく。何で知ったかを聞きたいので、申込書の自由記載欄に書き込んでもらえるよう来年度以降、工夫をしたい」としている。返礼品は市ホームページから確認できる。(山崎大和)