函館市は、国民健康保険加入者を対象に毎年度6月から3月に実施している特定健康検査(特定健診)の受診率を上げようと、受診を勧める個別はがきを対象者約4000人に発送した。本年度は新たに函館バスの車体広告も始め、市はより多くの人に健診の周知と習慣付けを呼び掛けている。
特定健診は、高血圧症やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病予防を目的に実施し、血液検査や尿検査、血圧測定などを行う。本年度の市の対象者は約5万人。
はがきの送付は2010年度から毎年1~2回行っている。今回の対象は、加入者の40歳から74歳まで(本年度現在)で、過去5年間に健診を受けた人のうち今年9月末現在でまだ受けていない人。これまでの問診票を基に3種類を用意し、色や絵で分かりやすく健診を周知している。
また、本年度の新たな取り組みとして、今月1日から函館バスの車体広告を導入。以前、バスの背面の窓を利用してドライバーらに健診をアピールしていたが、今回は歩行者を含めて地域全体に広めたい考えだ。
市の受診率は、14年度は29・4%、15年度は29・8%と例年30%を下回っている。市市民部国保年金課健診担当は「若いうちから健診へ行く習慣付けをしてほしい」と、40、45、50歳の受診者にはオプション検査のクーポン券も送付。胃がんリスク検査など通常6500円かかる検査が無料になる。
同担当は「大きな病気になる前に、ちょっとした体の変化を知り、生活を見直すきっかけにしてほしい。一度受診したから大丈夫、元気だから大丈夫という人も、毎年受けることが大切」と受診を勧めている。(三好若奈)