函館市は、自宅の一部やマンションの空き部屋などを活用して宿泊サービスを提供する業者に対し、ホームページ(HP)上で注意喚起に乗り出した。民泊サービスを合法的に行うには、旅館業許可(簡易宿所)を受ける必要があるからだ。市内でも無許可営業が横行しており、市立函館保健所は許可取得の呼び掛けを強化する考えだ。
自宅などの空き部屋を使い、対価を得て人を宿泊させる場合、貸し手は旅館業法に基づく簡易宿所として申請し許可を受けることが必要。昨年4月に旅館業法で民泊サービスが解禁され、フロント設置の必要がなくなるなど規制が緩和されたが、市内で許可を受けた民泊は9件(8月10日現在)。違法民泊の疑いがあるとして、同保健所が改善指導した件数は5件(同)あった。
国内最大級の民泊情報サイトでの市内の施設登録件数について、同保健所は「把握していない」としながらも、市内の違法民泊は急増しているとみられ、犯罪や騒音など生活環境の悪化が懸念されている。
HPでは「無許可営業には罰則も規定されています」と強調した上で「対価を得て人を宿泊させる場合、どのような形態であっても宿泊業に該当するため、無許可で行うことはできません」と保健所への相談を呼び掛ける。
一方、今年6月に成立した住宅宿泊事業法(民泊新法)=来年施行=では、部屋の貸し主は都道府県知事への届け出が必要となり、年間宿泊日数の上限を180日と設定している。ただ、日数は自治体が条例で制限できるようになっており、市も対応を検討している。
同保健所は「新法施行までの間に、許可を得ずに営業している人は違法だと周知したい」(生活衛生課)としている。(山崎大和)