総務省が発表した住民基本台帳(今年1月1日時点)に基づく人口動態調査で、函館市の人口(日本人住民)は前年比3159人減の26万4592人となった。減少数は道内自治体で最大で、全国の市でも減少数の多さで4番目に入った。道南18市町の人口は同6106人減の44万1832人で、全市町で減少しており、人口減の加速化が浮き彫りになった。
函館市は出生数から死亡数を差し引いた自然減が2121人、転出者数が転入者数を上回る社会減が1038人。少子高齢化で自然減が拡大する一方で、社会減は縮小傾向にある。社会減の縮小は若者が進学や就職で函館を出るのは避けられないが、住居を求めて北斗市や七飯町へ引っ越す動きが一定程度収まってきたためとみられる。
自然減は出産適齢期の女性の数が年々減っていくため、生み育てる環境の充実が重要。しかし、女性の価値観や生活スタイルは多様化する傾向にあり、施策で変えようと思っても一筋縄ではいかないのが現実だ。
全国で減少数が多い市は北九州市、長崎市、静岡市、函館市の順。函館市は北海道新幹線の開業効果で、2016年度の観光入り込み客数が560万7000人で過去最高となった。定住人口が減少する中で、市は交流人口を拡大させることで人口減の影響を緩和する効果を狙う。若者の地元定着のため、IT企業誘致にも積極的に取り組んでいる。
市企画部は「(全国4位の結果は)厳粛に受け止める。人口ビジョンでは、2040年に18万7000人としており、増やすのは難しくとも減少スピードを少しでも緩やかにする取り組みを続けたい」としている。(山崎大和)