【森】「次世代の子どもたちが、笑顔で暮らせるまちづくり」をテーマに、梶谷恵造町長(60)と森青年会議所の吉田智明理事長(35)が町政について考える「町政対談」(同会議所主催)が9日、町公民館で開かれた。約80人の住民が傍聴し、まちづくりへの理解を深めた。
昨年度に町が実施した地方創生(まち・ひと・しごと)に関するアンケート結果を基に、町民が抱く不安や町に望む政策などを、吉田理事長が梶谷町長に質問する形で対談を進めた。
吉田理事長は人口減少、少子高齢化対策として、子育て世代の移住促進を指摘。梶谷町長も移住者増の利点を評価した上で「親の働く場所が近くにあることが基本。町内の子育てに苦労している世帯も支援の対象とし、まち全体を子育てしやすい環境にするのが重要」とした。
加えてアンケート結果で、各種医療機関を求める声が上がったことについて、梶谷町長は「中でも小児科の必要性は認識している。新設は難しいが、住み続けるために必要な診察などがあるとするならば、検討して取り組んでいかなければならない」との見解を示した。
また吉田理事長は、8月末の台風10号の影響で町内が大規模停電が発生した際、避難所も暗闇に襲われたことに触れ、町の防災体制について言及。梶谷町長は「長時間停電時は役場のポータブル発電機の活用や運搬する手順を検討する必要がある」とし、本年度からの防災行政無線個別受信機の各戸設置などと合わせた取り組み強化を約束。吉田理事長も「インフラ整備は行政にお願いし、私たちは地域コミュニティーを広げていきたい」と、町民の安心安全確保に向けて協働する姿勢を見せた。
このほか就労機会の充実や観光振興など2人は多岐にわたって意見を交わした。吉田理事長は「この対談を通じ、町民がまちづくりに関心を持つ意識変革につながってほしい。官民一体となって町を盛り上げていければ」と話していた。(蝦名達也)