函館市は、2025年度の函館港への大型クルーズ客船入港予定が76回になると発表した。過去最多を記録した今年度の59回を上回る入港回数となり、新型コロナウイルス禍が明け世界的に運航が活発化し成長産業となっていることに加え、市のプロモーション活動や立地条件が良く寄港しやすい函館港のポテンシャルが評価を受けた。郵船クルーズの新造船「飛鳥Ⅲ」が初航海クルーズの最初の寄港地として7月22日に初寄港することなどが注目を集めそうだ。
市港湾空港振興課によると、入港回数は国内船10回、外国船66回の計76回。乗客乗員数の合計は定員20万2385人となっており、8割の約16万人を実績に見込む。
客船の入港はシルバー・ミューズ(4万791トン)が入港する4月3日から始まり、来年3月30日まで世界中の豪華客船がお目見えする。運航会社などの都合で公表していない岸壁予約もあるといい、さらに回数が増える可能性もある。
初寄港は飛鳥Ⅲ、シーボーン・クエスト(4月9日)やアイーダ・ステラ(同13日)のほか、バイキング・エデン(同18日)など16隻。大型連休期間は三井オーシャンフジ(同27日)、アンセム・オブ・ザ・シーズ(同28日)、リビエラ(同29日)、アザマラ・パシュート(5月5日)が寄港する。以降もシーニック・エクリプスⅡ(同7日)、ハンセアティック・インスピレーション(6月8日)、アドラ・マジック・シティ(7月29日)、オデッセイ(8月7日)、アドラ・メディタラニア(同11日)。秋口にはオベーション・オブ・ザ・シーズ(10月7日)、スペクトラム・オブ・ザ・シーズ(同30日)、ノルウェージャン・サン(11月1日)が訪れる。
「洋上の動くホテル」とも称されるMSCベリッシマやセレブリティ・ミレニアムはそれぞれ9回入港する。函館山などから見ることができる若松埠頭(ふとう)と港町埠頭に2船が同日寄港する貴重な場面は4月17日など計10回。
同課は「今まで函館に来ていない船社にも積極的にアプローチした結果、寄港数の増加につながった。経済波及効果に期待し、今後も取り組みを続けたい」としている。(竹田 亘)