函館市教委は新年度、市民が憩いの場として親しむ緑の島(大町)内にスケートボード向けのセクション(障害物や道具)を新たに設置する。人気が高まるアーバンスポーツの普及振興と、競技者のマナー啓発につなげる考え。
市教委スポーツ振興課によると、2021年に開かれた東京五輪・パラリンピックでスケートボードやスポーツクライミングが種目に採用され、日本選手が活躍したこともあり、市内でも競技人口が増え人気が高まっているという。その一方で、安全上の理由などから、公園内でのスケートボードの使用は禁止されており、国の施設で市港湾空港部が維持管理をする緑の島のイベント広場のみ認めている。
これまで、道南の競技関係者らでつくる「函館アーバンスポーツ協会」(松倉理加会長)から「できる場所を増やしたい」「セクションがあればもっと楽しめる」といった要望があったほか、市が主催した体験イベントの来場者からも声が上がっていた。
26年度はエリアを管理運営する委託業者の選定を行い、セクションの設置とともに早期の運用を目指す。セクションの種類については、同協会と検討しながら、鉄製のレールや四角い箱型のボックス、クオーターパイプなどを想定。中級者以上がトリック(技)の練習に取り組めるようにする。
また、市が22年8月にスケートボードとスポーツクライミングの両競技が楽しめる体験会を開いた際は、子どもから大人まで100人以上が参加したといい、26年度も緑の島に新設するエリアを会場としたイベントを開催する方針。新年度予算案で管理運営や物品の購入、イベント開催にかかる経費として300万円を措置した。
同課は「皆さんの要望を受け暫定的ではあるが設置につながった。ルールを守り、みんなが楽しむ場所になってほしい」としている。(竹田 亘)