函館市競輪事業部は28日、市営函館競輪の専用場外車券売場「サテライト松風」(松風町)について、2025年3月末で廃止すると発表した。近年のインターネット投票の増加の影響で来場者数や売上額が減ったほか、施設の老朽化に伴う維持管理費の増加で継続を断念した。
サテライト松風は「松風町サービスセンター」の名称で、1986年4月開設。自動発払機や液晶モニターを備え、場外発売する全国の競輪レースを観戦することができ、函館本場を補う売り場として市が施設所有者から賃借して運営している。
同部によると、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、2023年2月ごろから売り上げ状況が厳しくなったという。23年度の入場者数は6万9111人、売上額は4億3470万円。02年度に比べ、入場者数が4割減、売上額が8割減となった。
公営競技の施設管理業務を行うOTS(愛知)が施設を所有。今年1月、運営の継続が困難と申し出たことを踏まえ、売り上げ状況などから、廃止はやむをえないと判断した。建物は取り壊しなどはせず、賃貸としての運用を検討する。
同部は「長い間、本場に来ることができない利用者に親しまれてきた施設だったが、時代の流れもあり、廃止の決定は非常に残念。本場に来てもらえるようサービスの充実に努めたい」としている。(竹田 亘)