函館市と北斗市は24、25の両日、東京都内の大学20校に出向き、学生の地元就職促進に向けた支援事業をPRする周知活動を共同で実施する。両市で10月から始める、道内企業への就職活動でかかった交通費の一部を補助する交付金事業などを在学中の学生に伝え、制度を活用し、地元へのUターン就職につなげるのが狙い。
国の交付金を活用し両市で始める「地方就職学生支援事業」は東京圏内の大学に通う学生が卒業年度の6月1日以降の就職活動でかかった交通費の2分の1を支給する制度。道内企業の選考面接など採用活動が対象で、補助上限額は2万6000円。卒業後、各市に移住する意思があることなどが条件となる。
今回、両市で同様の制度を開始するのにあたり、相互に連携した周知活動を企画。実施にあたっては函館、北斗市内の公立・私立高から進学実績のある都内の大学20校を選定。24、25日は訪問先を分担して各市職員が来校し、函館は早稲田大、日大、東洋大など、北斗は慶応義塾大、青山学院大、帝京大など私立大10校ずつ担当する。各大学では就職支援担当者と面会し、地方就職学生支援事業のほか、奨学金返還支援事業など両市の独自事業についても双方が取り組みを伝える。また、PRに加え、各大学の就職状況も聞き取り、今後の両市の施策に生かす。
北斗市の土手貴志企画課長は「人口減少は市単独でなく、道南全体で考えるべき問題。函館とは生活圏も重なっており、共同の取り組みを通じ、進学しても就職を機に学生が地元に戻ってくるきっかけを作りたい」と話す。
函館市の山村英次雇用労政課長は今年度から始まった奨学金返還支援事業に登録する企業に関しても各大学に情報提供したいとし「函館に戻ってきたいが、地元企業を知らないという声もある。地元に戻って来られる土壌を整備したのでしっかり発信したい」とする。
両市の地方就職学生支援事業の申請受け付けは10月1日からで正式な内定後に提出する。詳細は各市のホームページで公開している。(飯尾遼太)