【北斗、七飯】北斗市と七飯町は26日、「広域防災に係る相互応援に関する覚書」を締結した。津軽海峡に面する北斗市は津波、駒ケ岳を抱える七飯町は火山噴火のリスクをそれぞれ抱えることから、地震や津波、噴火などの大規模自然災害が発生した際に職員や必要車両を相互に派遣したり、広域一時避難による被災住民の受け入れなどを双方で行う。
この日は池田達雄北斗市長が七飯町役場を訪れ、杉原太七飯町長と覚書を交わした。
池田市長は「北斗市が海溝型地震による津波被害を受けた場合、市内の施設だけでは全避難者を収容することが難しい。隣接する函館市に受け入れをお願いすることも検討したが、函館市も同時に被災する見通しが高いため、津波被害を受けにくい七飯町と協議を進めてきた」と説明。杉原町長は「七飯町も駒ケ岳噴火の際に、大沼地区の住民の避難先として北斗市の応援を頼むことがあると思う。避難誘導方法などについて今後細かく検討を進める必要がある」と相互連携の重要性を訴えた。
8月末に北斗市で予定されている防災総合訓練には、七飯町から住民輸送用のバスと職員を派遣する見通し。また、10月に予定されている七飯町での駒ケ岳噴火を想定した住民避難訓練でも北斗市との連携を検討しているという。両市町の防災担当者は「自治体を超えて新たな連携体制を進めることで、住民の皆さんの防災に対する意識も変わってくると思う。今後どのような防災対策が必要になるのか、じっくりと検討していきたい」としている。(小川俊之)