函館市は新年度、国が新たな給付制度として検討している「こども誰でも通園制度」を試行的に実施する方針を固めた。認定こども園などを利用していない生後6カ月~3歳未満の子どもを対象に、保護者の就労の有無を問わず保育を利用できる制度。育児の孤立化を防ぐとともに、良質な成育環境を提供するのが狙い。市は3月11~29日に利用者登録の先行受け付けを行う。
2024年度は試行事業で、25年度に法制度化される見通し。26年度から給付制度として本格実施となり、市も26年度からの本格事業を計画している。
生後6カ月~3歳未満の子どもは現在、親が就労していれば保育園や認定こども園が利用できる。それ以外の子どもは通園できる制度がなく、3歳にならないと幼稚園や認定こども園を利用できなかった。
〝隙間〟を埋める新たな通園制度として始め、就労要件に関係なく6カ月~3歳未満の子どもが利用できる。試行期間の利用は月10時間まで。市は新年度、本格実施に向けた利用者ニーズや運用上の課題などの情報収集を行う。
市によると、一定期間子どもを預かってもらうことで育児でたまった疲れを癒す時間が確保できる▽親の介護や家庭の用事など、小さい子どもを連れていくことが難しい場合に子どもを預かってもらえる▽プロの保育士に子どもを預かってもらい、子の状況や保護者の実情に応じた具体的な育児の助言を受けられる▽3歳になる前に、幼稚園や認定こども園の活動を子どもに体験させることで、成長や発達に必要な刺激をもらったり、子どもに合った通園先を見つけられる―などの利点があるという。
利用希望者は、市子どもサービス課に来庁または郵送で利用登録の申請をする必要がある。市民で、利用を希望する子どもが認可保育園、幼稚園、認定こども園、企業主導型保育施設のいずれにも在籍していないことが条件。24年度の利用料は無料。利用者アンケートや、事業者からの意見聴取を予定している。
市は利用可能施設について市内6施設程度を想定し「理由を問わず通園できるので親の育児の孤立化を防ぎ、子にとっても良質な成育環境を提供できる」としている。
市は、開会中の市議会第1回定例会に事業費4043万円を盛り込んだ新年度一般会計予算案を提出している。
問い合わせは同課(0138・21・3270)、メール(ksーdaredemo@city.hakodate.hokkaido.jp)で。(山崎大和)