IT企業のデジタル・インフォメーション・テクノロジー(東京、市川聡社長)が、道内初となる拠点を函館市桔梗町の市産業支援センター・インキュベータルームに開設した。同社は今後、60人以上の新規採用を目指しており、市と雇用創出や地域活性化に関する連携協定を結んだ。
7日、市役所で締結式があり、大泉潤市長と市川社長が協定書に署名し、記念撮影した。市長は「縁と熱意のある取り組みにありがたい思い。地元雇用を促進してほしい」と感謝を表した。
同社は2002年設立。システム開発などを行い、エクセル業務の自動化と効率化を図るシステム「ゾブロス」などの商品を開発。13期連続で増収増益を達成している東証プライム上場企業で、13年には松山市に事業所を設け、地方の人材創出にも力を入れている。
函館の選定理由は、先駆的なIT教育を行う函館高専や公立はこだて未来大があり、市川社長が函館ラ・サール高校卒である縁などを根拠に決めた。
同社は業務の一部を地方都市の他企業に外注する「ニアショア」にも取り組んでいる。市川社長は「自社で函館に移住し働きたいという社員が多い。函館を行き先にワーケーションの検討もしている」と話した。
桔梗町に新設した「DXビジネス研究室函館分室」には、函館出身の庄司健人さん(26)が勤務し、人材採用を進め、ローコード開発(アプリケーションを迅速に開発する手法)やニアショア事業、地元企業と連携を進める。(竹田 亘)