函館市企業局は日本最初のバットレスダムとして建設された笹流ダム(赤川町)が1923(大正12)年12月の完成から100年を迎えることを記念して、「笹流ダム100周年記念ダムカード」を作成した。来年3月末まで、期間限定で配布する。
格子状に組んだ複数の扶壁で水圧を受ける遮水壁を支える構造バットレスダムは、セメントが高価な時代に建設費を抑制できる構造として採用された。大正~昭和初期に全国に8基がつくられ、6基が現存。笹流ダムは85年に大規模修繕を実施し、市民の水がめとして現役で稼働している。
統一形式のダムカードは全国で800種類以上(7月現在)が発行され、笹流ダムは初めて。表面にはダムの写真と上水道用を示すW、バットレスダムを示すBの記号、裏面には基本情報とダムに用いられた情報を入れた。
市企業局経営企画課は「笹流ダムは全国でも珍しい形式のダムで、長く市の水源として活躍してきた。カードを手にして歴史や役割に理解をいただけたら」としている。
カードは無料で、市地域交流まちづくりセンター(末広町)で配布。1人1枚。郵送では取り扱っていない。(今井正一)