道は、道内での2022年度エゾシカ推定生息数をまとめた。南部(後志、渡島、桧山管内)は3万~18万頭と推定、前年度(3万~15万頭)に比べ微増した。シカの捕獲数が足りていないことが要因とみられる。南部を除く全道の推定生息数は、前年度より3万頭多い72万頭としている。
道は、道内を東部(オホーツク、十勝、釧路、根室)、北部(空知、上川、留萌、宗谷)、中部(石狩、胆振、日高)、南部(後志、渡島、桧山)の3区分に分け、調査で得たデータを基に生息数を算出している。道が定めた5年間(22~26年度)のエゾシカ管理計画で区分を見直し、21年度から西部を北部と中部に細分化した。
南部は、捕獲数が少ないため数値に幅を持たせている。3万~18万頭で、前年度3万~15万頭より微増した。
東部は前年度より1万頭多い32万頭、北部は同1万頭増の19万頭、中部は同1万頭増の21万頭とした。合計72万頭で、基準年とする11年の77万頭より5万頭減少した。
一方、22年度の全道の捕獲数(速報値)は前年度比2000頭減の14万1000頭(うち雌は7万7000頭)となり、雌の捕獲数は前年と同じだった。内訳は狩猟が3万2000頭、許可捕獲が10万9000頭。全道での捕獲目標数(23年度)は18万5000頭(うち雌10万6000頭)で、4万4000頭の開きがある。24年度は雌捕獲割合について、23年度の57%から60%へ高める目標を掲げている。
全道の農林業被害額(21年度)は44億8000万円で、前年度(40億6800万円)より増加。内訳は農業44億4100万円、林業4000万円。
道野生動物対策課は「南部は石狩や胆振寄りの後志での増加が目立つ。桧山はそれほど増えていないが、渡島は恵山(函館市)や福島、森、七飯など局地的に増え、増え方にばらつきがある」としている。(山崎大和)