函館市民200人が植え付けから収穫までを担い生産された酒米「吟風」を使用し、亀尾町の酒蔵「五稜乃蔵」が醸造した日本酒の搾り作業が6日、同酒蔵で行われた。市民の地酒づくりプロジェクトとして今年5月から始まり、ついに完成に漕ぎつけた。1000本(720ミリリットル、1430円)生産され、酒米を提供した参加者に加え、一般でも23日から購入することができるという。
さまざまな農産物を育てて収穫までを体験できるメニューを用意する市亀尾ふれあいの里(米原町)で酒米体験を今年度から追加。亀尾地区で生産される酒米に親しんでもらおうと、同地区に昨年11月に誕生した同酒蔵の協力を得て実施した。
参加した市民は5月の田植えから9月の稲刈り、10月のレクリエーションまで計4回の事業に参加。627キロの酒米を収穫した。その後、精米を経て同酒蔵で酒造りが11月上旬からスタートした。純米生酒(精米歩合70%)で今後瓶詰めして、亀尾地区をイメージしたオリジナルラベルで出荷される。
同酒蔵の森糸一弘副杜氏は「口当たりがまろやかでコメのうまみが感じられる酒に仕上がった。たくさんの人が生産にかかわった味を堪能してほしい。クリスマスや年末年始の料理にぜひ合わせて」とアピールする。
酒米を提供した参加者には優先販売され、それ以外の希望者も同じく23日から、同酒蔵に併設するショップや市内の特約店で購入することができるという。(小杉貴洋)