新型コロナウイルスの影響による休園や利用客の減少で苦境に立っている、函館公園内の遊園地「こどものくに」(青柳町)はこのほど、ネット上で資金を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。昨年の売り上げは例年に比べて4割減となったが、遊具のメンテナンス費用には年500万円ほどがかかるといい、同園の加藤大地マネジャー(22)は「遊園地を次の世代に受け継ぐためにもご協力をお願いしたい」と話す。
同園は昨年、コロナによる緊急事態宣言で春の大型連休中は営業をやめていた。例年であれば年間15万人ほどが訪れるが、昨年の来園者数は約9万人と、過去10年で最も低くなった。売上減で経費などは削減しているというが、遊具の維持や修繕費がかさむという。
資金の目標額は1000万円で、4月28日からCFサイト「キャンプファイヤー」で募っている。2000円から10万円までの出資額に応じて、3000円(1日パス)、5000円(乗車券20枚)など17種類の返礼品がある。10万円は50人の子どもたちを同園に招待する費用に充てられるという。
同園によると、2日現在で500万円を超える善意が寄せられているという。その多くが幼少期に利用した人で、親子2、3世代で足を運ぶ人もいるという。加藤マネジャーは「応援してもらい大きな力になっている」と感謝する。募集期間は6月20日まで。銀行口座での振り込みも募集している。問い合わせは同園(0138・22・5039、午前10時~午後5時)へ。
同園は1956(昭和31)年に開園し、北海興業が管理運営している。国の登録有形文化財に指定された国内で稼働する最古の「空中観覧車」のほか、メリーゴーランドなどの遊具が楽しめる。(小杉貴洋)