「成人の日」の11日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、道南各市町では式典の中止や延期が相次いだが、函館市内の写真館や衣装店には新成人が訪れ、一生に一度の記念の日を写真に残した。
はこだて明治館(豊川町)2階の「函館和・洋モダン貸衣裳(いしょう)館」には、9~11日の3日間で約20人の新成人が来店。函館市出身で札幌市の専門学校に通う佐藤沙南さん(20)は、地元で写真を撮りたいという思いから、事前にPCR検査を受けてから函館に訪れた。佐藤さんは「撮影は少し緊張したが、地元で写真を撮ることができて良かった」と笑顔で語った。
函館市出身で岐阜県の大学に通う佐藤桂輔さん(21)は、昨年部活動の関係で撮影できず1年越しの撮影に臨み「コロナ禍で帰省するのを迷ったが、一生に一度の思い出になった」と話していた。
結婚式場などを運営する「グローヴエンターテイメント」は、豊川町のチャペル「リラノートチャーチベイ函館」の館内に写真を展示する「函館フォト成人式」を企画し、続々と新成人がスーツ姿などで撮影に訪れた。
成人式の中止で同級生同士の集まる場所が失われた中、写真を通じて再会してもらおうと、同社のフォトグラファー、加藤隼人さんが中心となって企画。新成人は友人や家族とチャペルやベイエリアで撮影し、記念の日を写真に収めた。
高校時代の同級生4人で撮影に訪れた湯浜町のパティシエ、澤村彩花さん(20)は「成人式は中止になって残念だったが、記念に皆と写真を撮ることができて良かった」と笑顔を見せた。展示写真の一部は「インスタグラム」の同社撮影チームのアカウントでも見ることができる。(金子真人、長内宏人、飯尾遼太)