本格的な降雪シーズンを前に、函館市企業局交通部は11日、除雪用車両「ササラ電車」の試運転を行った。雪をはらう竹製ブラシが安全に回転するかなどを丁寧に確認し、出動への準備を整えた。
函館市電のササラ電車は明治時代に客車として製造されたものを、1937(昭和12)年に除雪車両として改造。80年以上経過してもなお現役で2両が活躍している。
車体の前後には竹を細く割った束(ササラ)を約900束取り付けている。2019年度は小雪の影響で、12月31日に1両のみの出動となり、走行距離は約22キロと例年に比べ少なかった。
この日は駒場車庫内で整備担当者が点検した後、五稜郭公園前までの往復約5キロを走行し、異常がないことを確認した。同部は「しっかり対応できるよう整備、点検を行った。冬季の安全運行につなげたい」としている。(小杉貴洋)