函館の夏を盛り上げる「開港161周年記念函館港まつり」(8月1~5日)と、道南最大の食のイベント「はこだてグルメサーカス2020」(9月5、6日)の中止が15日、相次いで決まった。各実行委が、新型コロナウイルスの感染拡大を重く捉え苦渋の決断を下した。港まつりが中止になるのは、戦時中の中断を除けば初めて。
函館港まつり実行委は、書面上で実行委員の承認を得て中止を決定。メインイベントのパレード「ワッショイはこだて」には約2万人が参加するなど、新型コロナウイルスの感染拡大のリスクが高まることから、参加者と観客の安全確保を考えて判断した。道新花火大会(1日)やワッショイはこだて(2、3日)、歩行者天国(5日)に加え、花電車の運行と露店の出店も取りやめる。
港まつりの中止は太平洋戦争で1943(昭和18)~45(同20)年に中止して以来。渡邉兼一実行委員長は「毎年港まつりを楽しみにしていた皆さまには非常に心苦しい限り。来年以降の港まつりに支援と協力を賜りたい」とコメントを出した。
一方、「はこだてグルメサーカス2020」の実行委は15日、胆振東部地震があった18年以来2度目の中止を決定した。
12年に始まり、毎年9月の2日間で実施。会場のはこだてグリーンプラザなどには地元や遠方のグルメが一堂に会し、人気イベントとして定着。昨年は最多の161ブースが出店し、来場者は約20万6000人を数えた。16、17年も20万人を超える集客力を誇る。
今回は新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえ、出店者や来場者の安全面を考慮して、出店者を募集を開始する前に中止を決めたという。現段階で代替イベントなどの予定はないといい、実行委事務局がある市観光振興課は「中止は残念だが、収束が見えない中ではやむを得ない措置」と話した。(山田大輔、小杉貴洋)