臨時休校や道の外出自粛要請を受け、自宅にいる時間が増えた子どもや市民を元気づけようと、コミュニティーラジオ局「FMいるか」(函館市元町)は2月29日から特別体制での放送を始めた。2日以降の平日は、子どもを対象に音楽リクエストや電話出演できるコーナーを生放送する。同局は「抱えている不安やストレスを少しでもラジオで解消してほしい」と呼び掛けている。
28日夕方に道の緊急事態宣言が発表された後、29日と1日の生放送番組5本を特別体制で放送することを決めた。それぞれの番組に「おうちでラジオ」と冠を付け、新型コロナウイルス関連の情報を伝えるとともに、メッセージや音楽のリクエストを受け付けた。
1日午前9時~午後0時の生放送番組「おうちでWILL」を担当したパーソナリティーの伍楼(ごろう)康広さん(39)は「初めて聞く人や、通常の倍近くメッセージをくれる常連もいた。家で過ごす人が増えているのでは」と話す。
一方、パーソナリティーは他の災害とは違うリスナー(聴取者)の不安も感じ取る。「目に見えない、未知への不安でリスナーが疲れている」と伍楼さん。音楽のリクエストなど双方向性のやりとりを増やし「普段の声が聞けて良かったというメッセージが多く届いたのはうれしい」と手応えを感じている。
2日以降は保護者が仕事に出て、自宅で子どもだけが過ごすケースも予想されるため、平日の午前11時台、午後3時台に「おうちでラジオ★キッズコーナー」と題し放送を始める。臨時休校の期間中は放送を続ける方針だ。
友達や先生に伝えたいことなど、パーソナリティーと電話で話したい小中学生を募集する。同局は「体を動かしたくなるような曲のリクエスト、保護者から子どもに向けたメッセージもお待ちしています」としている。
リクエストやメッセージ、電話出演の応募はメールアドレス(sp@fmiruka.co.jp)、ファクス(0138・23・3100)へ。(深津慶太)