渡島・桧山管内の公立高校が1日に予定していた卒業式を2日に延期したことを受け、函館市内の美容室やレンタル衣装店などは予約客の対応や人手の確保に追われた。ホテルや飲食店では式後に卒業生の保護者らが主催する謝恩会のキャンセルも発生している。
亀田本町の「レンタル衣装のあおき」(青木幸子代表)では、1日に市内3校の40人の生徒から振り袖やはかまの着付けの予約を受けていた。
同店は2月28日午後6時ごろ、生徒の保護者からの電話で開催日時の変更を知り、すぐに外部の着付けスタッフら約20人に変更を伝えて人手を確保した上で予約客に対応し、生徒分のキャンセルは無かった。
ただ、卒業生以外は式に出られないことが決まったため、保護者分で2人のキャンセルが出たが、1人は式の終了後に子どもと一緒に写真を撮りたいと予約を取りやめなかったという。
この日は午後11時ごろまで電話対応した青木代表は「大変ではあったが、子どもにきれいな衣装で卒業式に出てもらいたいという親の気持ちが伝わり、改めてこの仕事をしていて良かったと感じることができた」と話していた。
一方で宿泊施設や飲食店には謝恩会のキャンセルが発生している。1日に予約を受けていた施設の営業担当は「卒業式も縮小して行われる中で中止はある程度想定していた。この状況では仕方がないが、ほかの宴会も軒並みキャンセルになっているだけに営業的には厳しい」と頭を抱えていた。(金子真人)