函館市民映画館シネマアイリス(菅原和博代表)は11日、函館出身の作家、佐藤泰志の同名小説を原作にした映画「きみの鳥はうたえる」(三宅唱監督)を約2カ月ぶりに特別上映した。約30人が来場し、上映後は三宅監督のトークショーも開かれた。
同作品は、第73回毎日映画コンクール(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞主催)で、作品部門など8部門にノミネートされるなど、注目を集めている。三宅監督は昨年11月に東京都で開催された映画祭「TAMA CINEMA FORUM」で最優秀新進監督賞を受賞。「いろんな賞があって面白いと思った。いい映画がたくさんある中で、幅広い世代から反響があり光栄です」と語った。
函館での撮影時を振り返り、「同じ演技を何度も同じクオリティーで演じるところが俳優のすごいところ」としながらも、「自分は、もう二度と見られないような演技を求めていた。俳優たちと会話をしながら正解がない中で試行錯誤した、ぜいたくな時間だった」と話した。
三宅監督は、12、13日の両日に函館市内をロケ地に行われるスマートフォンで映画を製作するワークショップに合わせて来函。「初対面同士の製作陣で、どんなものが生まれるか楽しみ」と期待する。
トークショーの後は、パンフレット購入者に三宅監督が直筆でサインをプレゼントした。同館では12~18日の午後8時40分から同作をアンコール上映する(13日を除く)。(柳元貴成)