警察や海保、函館市など16機関で構成された函館港湾保安委員会(委員長・岡村信夫市港湾空港部長)は18日、函館港港町埠頭(ふとう)で、テロを想定した訓練を実施し、15機関の約50人が連携を深めた。
同訓練は2004年から始まり、実地訓練と机上訓練を交互に展開している。
同日の訓練は、同日正午に接岸予定の客船がテロの対象になる可能性があるとの想定。同委員会が本部を設置し、客船から救助した乗客にも顔写真付の身分証明書の提示を求めるなど、入港管理を強化した。
また、貨物船に潜伏していたテロリストが小船を奪って海上へ逃走する事態を想定した対処訓練も。函館海保の巡視艇「すずらん」、函館西署の警備艇「おしま」が出動し、2艇がテロリストを追跡し、捕まえた。さらに、船内で人質に刃物を突き付けたテロリストに対する警察の逮捕や負傷した人質の救助活動の訓練も同時に進行。
岡村委員長は「今年で15回目ということもあり、対応はスムーズだった。函館港は今後もクルーズ船が多く訪れるので、より一層連携したい」と話していた。(柳元貴成)