気温が上昇し、自転車利用者が増え始めたことを受け、道警函館方面本部交通課はこのほど、函館運転免許試験場(石川町149)の1階ロビーに自転車シミュレーターを設置した。同課は行楽シーズンの本格化に際し、自転車の安全運転を呼び掛けている。
自転車シミュレーターは函館方面交通安全協会が所有しており、試験場での設置は昨年に続き2回目。ハンドル、ブレーキ、ペダルなどが装備され、前後左右にあるモニター画面の映像と音で実際に自転車に乗っている状況を再現した。
走行体験コースは、商店街や学校など一般的に人通りや交通量が多い4コースが用意され、コース完走後、リプレイ映像を再生しながらの採点機能もある。同課の吉成真吾指導官は「ゲーム感覚で体験できるので子どもも頭に残りやすいと思う。一人でも多くの方に気軽に体験してほしい」と話している。
また、道内では今月、自転車の交通事故が相次いでいる。函館でも23日、登校中に横断歩道を渡っていた女子児童が自転車にひき逃げされ地面に頭を強く打ち、左耳にけがを負った。
万が一、自転車で人をはねてしまった場合の対処法について、同課の柴田靖次席は「近くのコンビニエンスストアや周りにいる人にも助けを求め、被害者の安全確保や応急処置、通報などを分担するとスムーズに対応できる」とした上で「自転車にはエンジン音がないため車や歩行者に認識されにくく、乗っている本人は速度感覚がつかみづらいなど危険が多い。交通ルールを守って常に周囲に気を配って」と呼び掛ける。
自転車シミュレーターは11月下旬ごろまで設置。希望する企業や機関に貸し出しも行っている。問い合わせは同試験場(0138・46・2007)へ。(柳元貴成)