青森県や函館の食材を使ったコース料理の試食会「青函フルコースサミット」が28日、函館短大付設調理製菓専門学校で開かれた。鹿内博青森市長や宮下宗一郎むつ市長、両地域の学術関係者ら約30人が、地元の山海の幸をふんだんに使った料理を堪能した。
同校と弘前大学食科科学研究所が北海道新幹線開業などを見据えて昨年11月に締結した、地域食材のブランド化などにかかわる連携協定に基づき開催。同研究所は津軽海峡交流圏を核に北日本の食を移出・輸出し、外貨を稼ぐ「北日本食の成長戦略」を掲げ、協定では同校がメニュー開発などで戦略に協力する。
サミットでは同校の吉田徹教頭が料理メニューを考案し、下北半島近海で獲れたタコやタラ、アンコウ、知内産カキ、函館産エゾシカなどを使い、8品を調理した。
冒頭、野又淳司校長があいさつした後、工藤寿樹函館市長の発声で乾杯。「カキとホタテのクリームグラタン」や「アンコウのムニエルバターソース」、「エゾシカのソテー」など次々と料理が出され、出席者は歓談しながら料理を味わった。
北大大学院水産科学研究院の安井肇院長は「青函それぞれの地域の雰囲気が出て、ぜいたくな気分にさせる料理」と満喫した様子。同研究所の嵯峨直恆(なおつね)所長は「青函連携を象徴する料理」と感想を述べた上で「青函の素晴らしい食材を地産地消するだけでなく、これからは外に売り込む『地産外商』をもっとしていくべきだ」と語った。
3月12日には、青函の海の幸を使った料理の試食会も予定している。(鈴木 潤)