【木古内】町札苅で電気工事業を営む澤谷(さわや)鉄矢さん(66)が長年にわたって収集した歴史民俗資料を陳列する私設博物館「澤谷民俗資料室」が、このほど開館した。開館日は4月~11月の日曜のみで、観覧には電話予約が必要(人数は5人まで)。
澤谷さんは10代の頃から道南の考古学、古銭、民具、そして日本刀、工芸品などにも関心を持ち、約半世紀にわたって収集してきたコレクションは7000点を超える。また古物収集のかたわら、知内川での砂金掘りを趣味とし、江戸時代の砂金堀り師の道具なども発掘してきた。コレクションを展示する資料室は「30年来の夢」だったといい、祖父が昭和初期に建てた古民家を約3年かけ改装して、夢を実現させた。
展示品は、「北前船がもたらした陶磁器と生活民具」「札苅遺跡を中心とした道南の縄文遺跡の出土品」「江戸~大正期の古銭」「知内川の砂金と出土品、千軒石」「江戸期のガラス工芸品」など1000点余り。他のコレクションは自宅などに収蔵してあり、1年に2回程度展示替えを行うことを考えている。また、箱館戦争時の砲弾やサーベルなども展示している。
館内の照明器具は、いずれも旧家などから譲られた大正から昭和初期のもので、澤谷さん自身の手で丁寧に復元されている。館内に陳列されている蓄音機やラジオなども完全動作する状態になっているという。
見学を完全予約制としているのは「古い物が好きな人に、じっくり見てもらいたい」という考えから。澤谷さんは「ここが愛好家の交流の拠点になればうれしい」と話している。見学予約、問い合わせは澤谷電工(01392・2・3254)へ。(神部 造)