オーダーメードのギター製作や修理などを行う工房「アヴァンチュールギターズ」(函館市鍛治2、川越満代表)は、今月21日~24日に米国カリフォルニア州アナハイムで開かれる世界最大規模の楽器展覧会「NAMM(ナム)ショー」にオリジナルモデルのエレキギター5本を初出展する。川越代表(42)は「大きな見せ場。世界に果敢に挑戦したい」と話している。
ナムショーは毎年1月下旬に行われる伝統的な展覧会で、世界各国から楽器メーカーや小売店など数百社が出展する。楽器を作る職人にとってはあこがれの大舞台という。
川越代表は「自分のように個人営業の工房は、並々ならぬ決意や覚悟がないとなかなか出られない。自分にハッパをかけながら挑んだ。この出展はお客さんにも喜んでもらえる」と語る。
出展するオリジナルモデルは「モダンビザール」と名付け、日本国内で昭和30~40年代に製品化された珍奇なギターをモチーフにした。構想に10年かけ、今の品質、性能レベルで完成させた自信作だ。
川越代表は26歳の時、当時務めていた会社を退職し、楽器メーカー「ESP」(東京)が運営する専門学校「ギタークラフトアカデミー東京校」に入学。1年後には同メーカーに就職し、同校の講師をしながらギター製作の職人として約10年間勤務した。
2010年に独立を決意し、同年7月、生まれ故郷の函館に戻り、今の工房を開いた。独立した時からナムショーへの出展を目指し今回、ようやくオリジナルモデルを完成させ出展を決めた。
11日に函館を発ち、現地に向かう。川越代表は「来場した外国人がどのような反応をするのか楽しみ」と期待を膨らませている。(鈴木 潤)