MSCクルーズ社(イタリア)の豪華客船「MSCベリッシマ」(17万1598トン)は8日、函館市の港町埠頭(ふとう)に今季初入港を予定していたが、強風のため断念した。市職員や関係者約200人が同船の接岸を早朝から4回にわたり見守ったが、安全面を考慮し中止となり、次の寄港地秋田へと出港した。
函館地方気象台によると、同日午前、4月以降で最も強い最大瞬間風速16・0メートルの西北西の風を観測した。同船は本来、午前7時半の入港予定で、同日午後6時に出港予定だった。函館港に入港する客船の中で最大規模で、通販会社「ジャパネット」のチャータークルーズ。乗員乗客5313人を乗せていた。
港町埠頭では、乗客を出迎える観光ツアーバス約70台やタクシーが出迎えの準備をしていたが、中止が決まり、落胆。ジャパネットツーリズムの蓑原一隆さんは「シャトルバスを札幌や網走からも手配し、利用客に函館観光を楽しんでもらおうと準備していたのに残念」と話し、市港湾空港振興課は「安全が第一。風が強く仕方ない」とした。
同船は今年度に計8回入港予定があり、次回は17日。(竹田 亘)