人気アニメ「名探偵コナン」の映画最新作で函館が舞台となる「100万ドルの五稜星(みちしるべ)」の上映が12日、全国で始まった。函館では公開を待ちわびた多くのファンが映画館に足を運んだほか、公開を記念したフォトスポットパネル設置やラッピング市電の運行などコラボレーションイベントを展開、まち全体がコナン一色で盛り上がっている。
○…作中のロケ地を散策し楽しむイベント「函館まち巡りスタンプラリー&フォトスポット」は、JR函館駅、函館朝市、金森赤レンガ倉庫、旧函館区公会堂、函館山展望台(函館山ロープウェイ)、五稜郭、五稜郭タワー、丸井今井函館店、花びしホテル、函館空港の全10カ所に設置。場所ごとに異なるデザインのスタンプを集め、スタンプ5個は景品引き換え場所でオリジナルグッズ、7個で江戸川コナン役の高山みなみさんサイン入りポスターのほか、賞品が当たるチャンスに応募する抽選券を獲得できる。フォトスポットは、少し離れた場所に設営している施設もあり、探すのも楽しみの一つ。第1弾は6月30日まで。第2弾は7月1日~9月30日。
○…映画の重要人物の土方歳三像がある五稜郭タワーは、イベントの企画以外にも人気キャラクター「怪盗キッドの予告状」を巨大展示物として設けた。コナン君と怪盗キッド、メインビジュアルの特設フォトパネル、スタンプなどを目当てに多くのファンでにぎわった。
館内は、市内外の来場者と外国人観光客が記念撮影を楽しんだ。自分が持っているお気に入りの関連グッズを片手に、写真を撮ろうと悪戦苦闘する熱心なファンも。大泉潤市長も盛り上がりを一目見ようと訪れた。函館市赤川町の会社員冨樫智子さん(36)は「有給休暇を取り、映画公開初日を楽しみにしていた。大好きな作品で地元が舞台になり、感無量」と声を弾ませた。
○…丸井今井函館店は、期間限定の催事販売「名探偵コナンプラザ」を始めた。オリジナル商品やキャラクターパネルが豊富にそろう。購入特典で限定プレゼントも。5月6日まで。
営業統括部の山田睦さんは「利用客に喜んでもらうため、館内で流す音楽を一時的にコナン映画のサウンドトラックに変え営業している。新商品の入荷予定も多数あるので、一度だけでなく何度も訪れてほしい」と話す。
七飯町鳴川1の会社員福津菜摘さん(32)は「映画を見る前に商品を買って、気持ちを高めたい。購入を家族にも頼まれ、Tシャツやポーチなど約1万7000円購入する」と笑顔。シネマ太陽函館(松風町)は14回上演し、いずれも満席の盛況ぶりだった。
○…函館市電のラッピング電車の初便は、午前10時55分駒場車庫前発の函館どっく前行きとして1往復運行し、午後も運行した。
駒場車庫前には、ラッピング電車1編成の運行開始を待ちわびたファンが集まり、乗車券販売所で記念デザインの1日乗車券を購入する姿が多くみられたほか、沿線で撮影する市電ファンの姿もあった。
市企業局交通部によると、運行時刻は非公表で、日によって運行時刻が違い、整備などの都合で運行しない日があるという。函館バスのラッピングバス3台も同日、運行を始めた。
同部は「謎解きミステリーの作品。ラッピング電車もミステリー感を維持するため、運行時刻は教えられない」としている。(山崎大和、竹田 亘、市丸和秀)