函館港若松地区に整備されたクルーズ船岸壁の供用記念式典(函館市、函館開建主催)が27日、函館クルーズターミナル駐車場で開かれた。函館港港湾管理者の大泉潤函館市長や、北斗市の池田達雄市長ら来賓が出席し、観光振興への寄与や、クルーズ船寄港数のさらなる増加を期待した。
函館開建が同地区で整備を進めてきたクルーズ船岸壁が今年3月に完成し、ダイヤモンド・プリンセス(11万5906トン)の寄港に合わせ開催した。
同岸壁の供用開始以前は、大型のクルーズ船は観光中心地から約6・5キロ離れた港町埠頭(ふとう)を利用していた。若松地区の岸壁はJR函館駅から300メートルに位置し、主要観光地へ徒歩移動が可能なことから、観光消費やクルーズ船寄港数のさらなる増加が期待されている。
式では函館開建の岡下淳部長が「若松地区のクルーズ船岸壁は、北海道総合開発計画に掲げる『世界に通用する観光地域づくり』に資するとともに、重要な役割を果たす」と強調。大泉市長も「11万トン級のクルーズ船の受け入れが可能となったことは、函館市にとって誠にうれしく、大きな喜びである」とし「受け入れ態勢のさらなる充実に努め、多く入港していただけるよう、誘致活動に積極的に取り組んでいきたい」とした。また、逢坂誠二衆院議員、横山信一参院議員らもあいさつしたほか、遺愛女子高校吹奏楽局による記念演奏も披露された。
式後は若松埠頭へ移動し、ダイヤモンド・プリンセスを背景に来賓らがくす玉を割り、改めて祝った。函館港では今年度の寄港数が過去最多の49隻となる見通しで、コロナ禍以前に最多となった2019年度の47隻を上回る見込み。(野口賢清)