函館市の五稜郭公園内にあるフジ棚(ノダフジ)が見ごろを迎えている。房状に垂れ咲く紫や白の花の色と青空のコントラストが鮮やかな初夏の到来を告げている。訪れた市民や観光客が立ち止まり、香りを楽しんだり、写真撮影したりする姿が見られた。
フジ棚は、箱館奉行所に向う二の橋を渡ってすぐのところにあり、高さ約3・5メートル、長さ約30メートル、幅約4メートル。1913(大正2)年に市民が植えていたものを、昭和初期にこの場所に移されたとされる。
観光で訪れた兵庫県神戸市の50代の夫婦は「枝ぶりも良く見事なフジ。気品ある香りに癒やされた」と笑顔で話していた。(佐藤由紀彦)