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戦時下の連絡船 証言を資料に

 函館市青函連絡船記念館摩周丸(若松町)の指定管理者、NPO法人語りつぐ青函連絡船の会(木村一郎理事長)は、第二次世界大戦中の乗組員から聞き取りし、戦争と連絡船に関する資料の作成を進めている。同会の高橋摂事務局長(61)は「時代背景やこれまでの文献などに証言を合わせ、詳細や物流のあり方を伝えたい」と話している。
 同会は青函連絡船の歴史、文化を後世に伝える活動を展開。その中で避けて通れない悲劇として洞爺丸事件(1954年)と戦争を掲げ、洞爺丸事件に関しては2011年に同事件の文献「台風との斗(たたか)い」の復刻などを果たした。
 函館市史によると、青函連絡船は函館空襲(45年7月14、15日)により、客船4隻、貨物船6隻の計10隻が沈没、座礁炎上し、373人が犠牲となった。同会は被害状況をまとめるだけでなく、青函間物流の大動脈を空襲した理由から探る必要があるとして、連絡船の役割を改めて考察。運航実績を調査した際、戦時中もほぼ定時運航していたことが分かり「石炭を北海道から本州に運ぶ連絡船は日本の命運。米軍がこれを全滅させることで終戦となると考えたのは、合っている」と高橋さん。
 一方で、戦時中を知る乗組員が少なくなった上、洞爺丸事件については話しても、戦争のことは口を閉ざす人が多かった。当時航海士だった山田友二さん(91)=柏木町=と山口恒久さん(90)=松川町=は、高橋さんと約10年の付き合いがあるが、空襲について打ち明けたのは約2年前からという。高橋さんは「今と昔では、戦争について話をできる感覚は違う」と話す。
 今年6月から月1、2回、同館に山田さんと山口さんが集まって高橋さんらと編集会議を開いており、「連絡船を通じて戦争とは何かを考え、伝えたい」とメンバー。くしくも北海道新幹線開業により、青函間の物流が改めて議論されるようになった今年中に、パネル作成を目指す。
 15日は終戦記念日。山口さんは「玉音放送後、仲間と函館八幡宮へ行ったら、函館要塞の兵隊さんが石垣に座り込んでうなだれていた。日本が負けたことが深く分かった」と振り返った。(山崎純一)










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