函館市は本年度、市の奨学金貸付制度を見直し、国公立・私立大学と専修学校に在学する学生への貸与月額上限額を最大2万1000円引き上げる考え開会中の第2回定例市議会に補正予算案として131万円を計上返還期間も現行の15年から最長20年まで(貸与総額が150万円を超えた場合のみ)とし、制度の利用促進を図る
市の奨学金制度は高校・高専・短大・大学・大学院・専修学校の進学・在学者で、経済的理由により修学が困難な人を対象に、1951年に創設2014年度までに計3437人、総額10億8630万円を無利子で貸し付けており、能力はあるが進学を断念せざるを得ない学生のセーフティーネットとして利用されてきた
一方で、10年度の公立高校の授業料無償化や14年度の公・私立一体となった就学支援金制度の施行など、高校への支援が拡充されており、市の奨学金制度の利用者は減少傾向にあるまた、市内の教育関係者などでつくる市奨学資金運営委員会で昨年、高校と比較して授業料に対する対応額の割合が低い大学などの支援を見直すべきとの要望があったことから、市が検討を進めてきた
貸付月額の上限額は、国公立大学と専修学校が1万3000円増額の3万円私立大学は2万1000円増額の4万円に改正必ずしも上限額を借りる必要はなく、1万円単位で希望額を選択できるように変更する市子ども未来部によると、全国の中核市の中で希望額の選択などを実施している市はないという
返還期間も大学院に進学した場合などを考慮し、月1万円ほどで返還できるよう期間を延長する9月の奨学生追加募集から上限額などの変更を適用すでに貸付が決まっている学生も制度移行の対象になる同部は「市独自の考え方で少しでも利用しやすい制度に変わる応募者も増えるのでは」とみている(蝦名達也)