北斗市のタクシー会社「しんわ交通」の運転手、八木橋朋弘さん(当時42)が何者かに殺害され、売上金などが奪われた強盗殺人事件は21日、発生から15年を迎えた。函館西署などは同日、発見現場に程近いポールスターショッピングセンター(函館市港町1)で市民にチラシを配り、情報提供を呼び掛けた。
2006年12月21日朝、港町荷揚場(同町3)に乗り捨てられたタクシーのトランク内から、刃物で刺された八木橋さんの遺体が見つかった。タクシーのGPS(全地球測位システム)の解析などで、犯人は同日午前4時ごろから同5時ごろまでの間、北斗市七重浜1付近で客として乗車後、七飯町峠下の路上で殺害したとみられている。
この日は同署のほか、道警函館方面本部捜査課、函館中央署、函館地区ハイヤー協会から約15人が参加。事件の概要が書かれたチラシやポケットティッシュを買い物客らに約400個配り、情報提供を呼び掛けた。
合同捜査本部はこれまでに延べ13万8500人の捜査員を投入し、現在も9人体制で捜査を継続。寄せられた情報は188件に上る(うち今年は3件)も、依然として犯人の特定には至っていない。
函館西署刑事第一課の高辻俊伸課長は「このまま犯人を逃すわけにはいかない。辛抱強く情報を待っている遺族の期待に応えるためにも、小さなことでもためらわずに情報をお願いしたい」と話している。
情報提供は合同捜査本部(0120・004・179)へ。(長内宏人)