函館水産高校(野呂俊夫校長)が、22~24日に青森県八戸市で開かれる「第18回全国水産・海洋高校カッターレース大会」(全国水産高校長協会主催)に8年ぶりに出場する。大舞台に挑むのは、ソフトテニス部の部員たち。ラケットをオールに持ち替え、〝海の甲子園〟での健闘を誓っている。
レースは、長さ9メートルの「カッター」と呼ばれる短艇に14人が乗り、うち12人がオールをこいで1000メートル(500メートル折り返し)のタイムを競う。ほかの2人は号令係とかじ取りを担当。息を合わせた漕艇とチームワークが鍵を握る。
大会は全国のブロックが持ち回りで開催。今年は15校、道内からは同校と国立小樽海上技術学校がエントリー。八戸で開かれることから出場を決め、ソフトテニス部の部員たちが名乗りを上げた。「体全体の筋肉を使うカッターを経験することで、ソフトテニスの実力向上につながるのでは」と顧問から勧められて決意。本格的な練習は1カ月前に始め、現在は週4回、放課後にカッターに乗り、午後5時からはソフトテニスの練習に励んでいる。
同校を含む多くの水産高校がカッターの操船技術を指導しているものの、重さ約10キロのオールを全員が同じタイミングでこぐのは容易ではない。水野魁人君(2年)は「最初はバラバラだったが、徐々に合ってきた」とし、「最後まで諦めないでこぎ続けたい」と意気込む。
前回出場時にも指導した我妻雅夫教諭は「船乗りとしての〝シーマンシップ〟を身に付けるきっかけになれば」と話す。(稲船優香)