生徒数の減少が続く南茅部高校(藤井浩之校長、生徒27人)の存続が危ぶまれている。今年度の1年生は9人で、来年度の入学者数も10人を下回った場合、2025年度で募集停止となる可能性がある。このほど、函館市南茅部総合センターで開かれた存続に関する検討協議会で、地域住民らに理解と協力を求めた。
同校PTAや地元周辺の小中学校、町会関係者など約30人が出席。道教育庁学校教育局高校教育課の岡本浩一課長補佐が現状を説明した。
同校には現在、9人の1年生が在籍。第1学年が3学級以下の高校は、原則再編整備の対象となる。ただし第1学年が1学級でも、地理的状況から近隣校との再編が困難で、地元からの進学率が高い高校は「地域連携特例校」として、再編整備を留保することができる。
一方で特例校であったとしても、5月1日現在の第1学年の在籍者数が2年連続で10人未満の場合、再編整備を進めることになる。同校の場合、22年5月1日時点で、▽1年生が20人以上であれば、再編整備の留保は解除▽10人以上20人未満では、留保を継続▽10人未満となった場合は、22年6月公表予定の公立高校配置計画案に25年度での募集停止案が盛り込まれる-ことになる。
南茅部地区の中学校卒業者数をみると、今年3月に40人が卒業し、このうちの9人が同校に進学。来年3月の卒業者は30人の見込みで、入学者を2桁確保はより厳しい状況だ。岡本課長補佐は「南茅部高校を存続させるためには一定数の生徒が必要。なんとか存続できるよう、学校のアピールに皆さんの力添えいただきたい」とする。
藤井校長は道高校遠隔授業配信センター(ティーベース)を活用することで、進学や就職など生徒の幅広い進路選択の機会を確保していることや、水産や漁業といった地元産業の学びに力を入れていることを説明。「在校生とともに、中学生に選んでもらえる取り組みを進めていきたい」と述べた。(野口賢清)