函館巴中学校(佐竹聡校長)は、同校で新型コロナウイルスの感染防止のため、生徒会役員選挙に、ウェブ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を初めて導入した。新しい日常が模索される中、教育現場でもICT(情報通信技術)を活用し、試行錯誤が続けられている。(飯尾遼太)
生徒会役員選挙は例年、全校生徒が体育館に集まって開催。今年度は9月30日、密集を避けるためズームを介して、放送室から立候補者の演説の様子を映像で各教室に配信した。生徒会役員や委員長に立候補した1~2年生の生徒15人が演説に臨み、オンライン配信に戸惑うことなく、はきはきと自らの主張を展開していた。
生徒会長に立候補した藤田恵輔さん(14、2年)は「(目の前に人はいないが)各教室に映像が流れていると思うと緊張した。それでも良い演説ができた」、選挙管理委員長として全校に投票時の注意などを呼び掛けた鈴木楓さん(14、3年)は「聴衆が見えない分、目線や表情で伝えることを意識して話した」と振り返った。
同校でズームを学校行事に活用するのは今回が初めてで、2日に行う文化祭でも、合唱コンクールにユーチューブの動画配信を活用。
同校の小田桐智教頭は「今回の取り組みはコロナ禍でもできることやろうと考えた結果。今後は感染防止のほか、不登校や教室で授業を受けられない生徒の対応も含めて個々に最適な教育環境を整えていきたい」と話している。