北大大学院水産科学研究院の松野孝平助教(34)は10日、北大水産学部の研究者らが水産科学の魅力を伝える「北水ブックス」の第5弾として「プランクトンは海の語り部~変わりゆく極域~」(海文堂出版)を発行した。
松野助教は、北大水産学部の4年生時からプランクトンの研究を続け、気候変動の影響が大きいと考えられる北極海や南極海のプランクトンを採集し、海の生態系の変化を調べている。
同著では、温暖化による北極海の海氷の消失がプランクトンに与えている影響について、同学部附属の練習船「おしょろ丸」などを使った現場調査、蓄積したデータや知見を基にした将来予測の作成などの研究方法を解説している。
また、海外での調査に必要な準備や手続き、現地の人との交流など研究生活の様子も紹介している。松野助教は「小さなプランクトンを調べることで、大きな海の中でどのような変化が起きているのかを知ることができる。本を通じ学生など若い人たちが研究という仕事に興味を持ってもらえたらうれしい」と話している。
A5判、オールカラー128ページ、税込み1980円。市内では、北大生協水産学部店、函館蔦屋書店、函館栄好堂丸井今井店で販売している。(金子真人)