遺愛女子中学高校(福島基輝校長、生徒853人)は、今年戦後75年を迎え、平和への思いを世界に発信しようと「2000羽の折り鶴プロジェクト」に取り組んでいる。全校生徒が折り鶴に思いを込め、8月6日の「広島原爆の日」、同9日の「長崎原爆の日」各日に開かれる平和式典に合わせ、約1200羽ずつ各都市に送る。(飯尾遼太)
礼拝行事や高齢者との交流など主にボランティア活動に取り組む同高の「YWCA部」(花輪美侑部長)が新型コロナウイルスの感染拡大で例年通りの活動ができないことから、今できることをしようと企画。7月13日から部内で折り鶴を制作し、同20日からは全校生徒が関わってプロジェクトを進めてきた。
花輪さん(17、高3年)は昨年8月に広島で開かれたYWCAのカンファレンスに参加。被爆者の戦争体験に触れたほか、フィールドワークを通じて平和について学びを深めた。今回のプロジェクトに向け、花輪さんは「折り鶴を通じて平和のメッセージを発信するとともに、今を生きる私たちはもう戦争をしないという誓いの意味も込めた」と語る。折り鶴とともに各都市にはメンバーがメッセージをしたためた色紙も送る。同部の福田音羽さん(17、高2年)は「プロジェクトを通じて現代の恵まれた生活は当たり前のものではないことを考える機会になった。みんなで一生懸命折ったので、思いが通じればうれしい」と話していた。