市立函館博物館(青柳町、函館公園内)の企画展「津軽海峡北岸の縄文遺跡」が11日、始まった。市内で発掘、収集された貴重な資料など約1300点を展示している。
市内の史跡、大船遺跡と垣ノ島遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録を目指す機運を高めようと企画展を構想。当初は札幌市や近郊の資料展示も予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で取りやめ、渡島管内や函館市内の資料を中心とした構成にした。
ドローンで撮影した大船、垣ノ島両遺跡の紹介映像も用意し、土器や石器、歴史を振り返るパネルなどが多数展示。縄文時代後期初頭の戸井貝塚(浜町)から発見されたエゾシカの角から作られた体に多数の穴があけられた「人形の角偶」も目を引く。国宝「中空土偶」以外にも函館から見つかっている土偶約110点も並ぶ。
多彩な企画も準備中といい、同館は「展示を通じて縄文時代の暮らしぶりなどを感じてほしい」と話している。
会期は10月18日まで。時間は午前午前9時から午後5時(最終入館は同4時半)で、休館日は8月10日と9月21日以外の月曜日。観覧料は一般300円、大学・高校生200円、小・中学生100円(市民割り引きあり)。問い合わせは同館(0138・23・5480)(小杉貴洋)