• 函館新聞デジタル
    ご購読申込はこちら
  • 2024年春
    人事・本社来訪
  • 参加者募集
    写真の日プロジェクト
  • 求人情報
    総務経理スタッフ、記者

「江差屏風」題材に論文発表 函教大の三上教授ら

 道教育大函館校の三上修教授(46)らは、江戸時代中期の松前藩の絵師、小玉貞良が描き、当時の江差町の繁栄ぶりを伝える「江差屏風」を題材に「江差屏風に描かれた動植物」と題した論文を発表した。論文では町内の生態調査や文献調査を通じ、絵中に登場する動植物の推定に取り組んでいる。
 2016年から同校は江差町と相互協力協定を結び、地域課題やニーズを現地で調べ、地域と大学が協働し進める「ソーシャルクリニック事業」を展開。学生が同町内でさまざまな活動を続けており、今回の研究はその一環。
 三上教授の研究対象は、スズメをはじめとしたまちに住む鳥の生態。事業のスタートをきっかけに三上教授は「江差追分」にも詠(うた)われる同町のカモメの種類に着目。中でも江差屏風には北前船でにぎわい、ニシン漁を盛んに行っている様子のほか、カモメなど多くの動植物が描かれていることから当時の生態を解き明かすことで町内の自然を再発見することにつながると、同年から研究に着手した。
 動植物の推定は、描かれている生物種の特徴から読み取る手法と、描かれた年代や季節などから判断する手法を併用。16年7月から17年11月にかけ、三上教授が当時のゼミ生と共に町内の生態調査を実施し、生物種を照らし合わせる検証を行った。結果、オオセグロカモメやウミネコといった水鳥6種、海獣(トド)1種、同町が自生の北限地であるヒノキアスナロなど樹木10種を推定するに至った。
 今回の研究を振り返り、三上教授は「他の都市ではまち並みの変化が激しいが、当時と遜色(そんしょく)ない自然が残っている江差だからこそできる面白さがある」とし「屏風が描かれ、現存していることもニシン漁や北前船で財を成したことを物語っている」と分析。「生き物はその地域の一次産業と結びつきが強く、文化の基盤になる。あらためて屏風を見つめてみることで、新しい発見につながる」と話す。
 論文は6月1日発行の生き物文化誌学会の学会誌「ビオストーリー」第33号に掲載。発売元の誠文堂新光社ホームページ(https://www.seibundoーshinkosha.net/magazine/science/43040/)から購入可能。(飯尾遼太)










      最新記事











      きょうの人生指針/誕生月占い

      函館新聞デジタルとは
      函館新聞 デジタル お申込み
      ご購読申し込み月は無料

      最新ニュース

      アクセスランキング

      1. 遺愛6連覇、函工4連覇 バドミントン高体連春季大会
      2. 不同意わいせつ容疑 八雲の70代男性逮捕
      3. 函館でサクラ満開 過去3番目タイの速さ
      4. 函館港に初入港 豪華客船「シーボーン・オデッセイ」
      5. 五島軒、新業態のカフェ27日に営業開始 本店1階ロビー アフタヌーンティーなど
      6. 28日にスプリングコンサート 道南23団体出演
      7. 道南ものがたりジャーニーラン、8月に道内初開催
      8. 日吉町で住宅火災
      9. 上磯高の存続を要望 池田市長と川原教育長、道教委に
      10. ポツンと佇む小さな食堂③/猫がいるレストラン casadelgatto

      函館新聞宅配購読お申込み

      お試し(1週間)もございます。

      フリーマガジン「ハコラク」も毎月お届け

      はこしんフォトサービス
      フォトサービス

      掲載された写真を購入できます

      はこしんバックナンバー
      バックナンバー

      過去3ヵ月以内の函館新聞を購入

      はこしんポスト
      ポスト

      取材依頼・情報提供・お問い合わせ

      国内外の主要ニュース


      クローズアップ


      ニュースカレンダー

      紙面ビューア

      SNS公式アカウント

      4月25日のイベント情報

      ※イベント中止および延期となる場合がございますので、詳細は主催者へ直接ご確認頂きますようお願い申し上げます。

      関連サイト